11/21(月) 矢吹・一本木仮設支援(見守り隊)

 *参加者:14名
 *矢吹町ボランティア希望者:2名
 *介護労働安定センター:3名(実習生) 
 *とちぎVネット:2名(鈴木・早川) 

AM8時に、介護労働安定センターの実習生と、JR宇都宮駅前で待ち合わせ。
タオルやお茶セットが積まれた車に、5人ギュウギュウ詰めで、矢吹に向かう。
きょうは、ボランティアの数が多いので、仮設一戸ごとへの声掛けからスタートした。

 

顔見知りになった皆さんは、私たちが来るのを心待ちにしてくださっているが、まだご縁のつながっていない方も多い。
「こんにちは。とちぎボランティアネットワークです」
9月に行なったアンケートで、「近所に知り合いがいなくて不安」という項目にチェックしたお宅には、特に気を配る。富岡町、双葉町、浪江町といった、浜通りからの原発避難者が多いからだ。

ここの仮設も、最初来たときは、集会場を利用する人もなく、ひっそりとしていた。しかし今は、とちぎVネットが来る日以外にも、みんなで集まって「まけないぞう作り」をしている。その自主的な活動こそが、私たちの目標としてきたことである。

先週に引き続き、地元・矢吹町の女性二人が、「ボランティアしたい。いろいろ教えてください」と、やってきた。社協にも行ってお手伝いしているが、「月曜日に仮設に来ている」というとちぎVネットの噂を聞きつけ、「活動を見せて欲しい」と言う。「それではご一緒に」と、輪の中に入ってもらう。
私たちが遠くから行くよりも、地元の方々が支援してくださるほうが、ずっと効率がいい。自主的にどんどん活動してくださるよう、いろいろお話しした。

きょうも、まけないぞうを作る人。お茶を飲む人。おしゃべりする人。テレビを観る人。それぞれが、好きなことをして過ごしている。
一人暮らしの女性Sさんは、胃がんの手術後で、療養中だ。
「ひとりで部屋にこもっているよりも、ここでみんなと一緒にいた方が落ち着く」と言って、編み物したり、横になったりしている。
まけないぞうをお仕事にしている方々は、検品してもらったり、その場で修正したり、次回の材料チェックに忙しい。

そんな中、緊急事態が。
矢吹町役場から電話があって、仮設で具合が悪い人がいるらしいので、見に行って欲しいとのこと。見守り隊・隊長は、救命救急センターで働く現役のナース。すぐにお部屋に駆けつけた。幸いにも、大事に至らずホッとしたが、いざというとき、地元の方々に頼りにしていただけることを、きょうは嬉しく思った。

「おなかが空いたなー」と思う頃、「お昼を用意したから。食べていってね」と、Hさんが声を掛けてくださる。里芋ご飯のおにぎりに、白菜の漬物。最高の贅沢だ。
Tさんは、おいしいリンゴをむいてきてくださった。羊羹の差し入れもいただく。
私たちはいつも、お昼を持参して行くが、毎週持ち寄りで、いろいろな「矢吹飯」が用意される。この「矢吹飯」は、どんな高級レストランの食事よりも美味しく、愛情に満ちている。
「わたしらの、感謝の気持ちだから…」という言葉に、胸がいっぱいになる。

そこで私は皆さんに話した。
「とちぎVネットでは、多くのスタッフが『まけないぞう』を応援しています。
それぞれが日夜駆け回り、たくさんの協力者がいて初めて、この『まけないぞう』は、全国の皆様の手元に届くのです。
現地に行った私たちだけが、こんな幸せな思いをして、申し訳なく思っています。
他の人たちの分まで、たくさん美味しいごちそうを頂いて帰りますね(笑)」

午後も、まけないぞうを作りながら、おしゃべりし、あっと言う間に14時になった。裁縫セットやお茶の用意を片付け、机をたたもうとすると、「私たちは、もう少しゆっくりしてるから。机は片付けるから大丈夫だよ」とのこと。
後片づけをお願いし、地元の方たちの強い「絆」を感じながら、嬉しい気持ちで帰路に着いた。

                                                                                       早  川