10/30 山元町内手仮設 訪問記

  ご当地名物 はらこ飯(&海鮮丼&天丼)
  ご当地名物 はらこ飯(&海鮮丼&天丼)

日時:2011年10月30日(日)
場所:山元町内手 集会場
メンバー:4名
まけないぞう参加者:1名(東田仮設の方)

AM10:30 現地着。
今日はJR常磐線・山元駅跡で、地元の「復興祭」が行なわれている。山元駅の駅舎は津波で流され、ホームがわずかに残っているのみ。宮城県亘理町から福島県相馬市までは、海から約1km以内をJR常磐線が走っていた。その線路は寸断され、ところどころに錆びたレールが草に隠れて、荒地となっている。「復興祭」とはいえ、地震や津波で壊れた駅や線路、住宅のほとんどはそのままで、手付かずのところが多い。

海岸線を抜けて、まず最初に、西石山原仮設に向かった。
先日のアンケートで、冬物衣類を希望していたお宅にコートを届ける。
お祭りに行かないで、私たちの到着を待っていてくださった。

山元町は、イチゴの産地。
海岸沿いは、「ストロベリーライン」という道路が走っていて、ビニールハウスがたくさんあったという。その復興のため、とちぎVネットからも、毎週別便でボランティアが現地入りし、イチゴ農園のお手伝いをしている。きょうも、今頃どこかで、イチゴの苗を植えていることだろう。
農家の支援は、町の復興に直結している。甘くておいしいイチゴが、たわわに実る日が待ち遠しい。

昼食後は内手仮設の集会場に移動し、まけないぞう講習会の準備をする。
だが、きょうは、地元の「復興祭」。離れ離れになった被災者の皆さんが、久しぶりに再会する貴重なイベントである。今日は誰も来ないかもしれませんね…」と、覚悟していた。

そこへ、年配のご婦人が、「まけないぞうというのは、こちらですか?」とやって来た。先日ポスティングしたチラシを、大切に取っておいて、隣の東田仮設から、自転車で来てくださったという。
「お祭りは、行かなくていいのですか?」と聞いたら、「嫁や孫は行きました。私は、手芸が大好きなんです。自宅で一人でできる『楽しみ』が欲しくて、きょうの講習会を、首を長くして待っていました」とのこと。
この一言に感激し、「きょうは、来てよかったー!!!」と、一堂心の中で思った(…涙)。

初参加のボランティアさんたちと一緒に、おしゃべりしながら「まけないぞう」を製作。おいしい昆布茶を飲んだり、お菓子をつまみながら、あっという間の2時間だった。きょうは少人数だったので、じっくりお話も聴けた。

帰路に着きながら、みんなでいろいろな話をした。
ボランティアというのは、どうしても「やり甲斐」を求めるけれど、目に見えない大きな収穫もあるということ。
大きなイベントもいいが、一期一会の小さな出逢いも、大切だということ。
ほんの小さな喜びが、少しずつ、人や社会を変えていく。
無駄なことなんて、ひとつもない。
初めて参加したボランティアさんが言った。
「子どもたちは、社会科見学として、被災地に来なきゃダメよ。実際に、自分の目で見なきゃ、震災は『他人事』で終わっちゃう。ボランティアを
体験して、初めて人の悲しみや苦しみが分かるのね」。

東日本大震災の復興支援は、まだまだ続く。

きょうの一言。
One for All (ひとりは、みんなのために)
All for One (みんなは、ひとりのために)

早川記