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みんなで土地を買って守る。「トトロの森」でナショナルトラスト

  

 

 519日の「みんながけっぷちラジオ・環境、自然体験」では、公益財団法人トトロのふるさと基金の木村直樹(きむらなおき)さんをゲストに迎えた。木村さんは、幼少期を埼玉県で過ごし、山梨県の大学を卒業、北海道のネイチャーセンターや埼玉県の少年自然の家などを経て2020年から現在の活動に取り組んでいる。トトロのふるさと基金では、東京都と埼玉県の境にある狭山丘陵で、みんなの寄付で森を購入するナショナルトラストを行っている。周辺の土地の開発が進む中、土地を買い取ることで自然を守っているという。今回は、基金設立の経緯や森林管理、活動の課題についてお話を伺った。

 

 

『となりのトトロ』の聖地、狭山丘陵 

 

基金の名前である「トトロ」にまず興味がわいた。狭山丘陵がアニメ映画「となりのトトロ」のモデルの一つになっていて、宮崎駿監督は狭山丘陵の近くで過ごした経験からインスピレーションを受けたという。宅地造成などの開発が続いていた狭山丘陵の自然を守るため、みんなで土地を購入し管理する「ナショナルトラスト」を行うべく1990年に基金を立ち上げた。そこで、基金を立ち上げるときに監督に直談判し、トトロの名前とイラストの使用を許可してもらった。そのため、基金ではトトロの看板やグッズを販売している。

この地域は昔から雑木林が多く、農家は60年前までは薪炭林や落ち葉を堆肥として活用していた。しかし放置していると生物多様性を損うだけでなく、倒木や荒廃のリスクがあるという。そのため、みんなで土地を購入し管理する「ナショナルトラスト」を行っている。基金が管理しているトトロの森は現在13haで、狭山丘陵内に点在している。民家に近い所では、木を伐採したり落ち葉清掃などの管理が大変だという。

 

 

使われない雑木林に「ナラ枯れ」発生。資金調達と、森の役割の付与が課題

 

 2020年から2022年をピークに、狭山丘陵では「ナラ枯れ」という木の病気が木村さんたちを苦しめた。弱ったコナラに5mmほどのカシノナガキクイムシが入って菌を運びその菌が水を吸い上げる木の道管を詰まらせ枯れてしまう。狭山丘陵では広範囲に被害を受け、木の伐採やビニールでの保護などの対策を強いられた。ナラ枯れが流行した要因は「木が定期的に伐採され管理されていないこと」と木村さん。里山の木は昔から人々の生活に欠かせない燃料であり、里山は人の手が定期的に入っていた。しかし、人の手が入らなくなることで巨木化し、日照のバランスが悪化、植生が保たれなくなる。基金が伐採・管理をしているが、広大な土地を全て管理することは困難だという。努力は2つ。土地に役割を与えて管理する理由を探すこと、資金をどう調達するかが課題である。

都会の人から憩いの場として密かに人気のある狭山丘陵トトロの森。開発が進むコンクリートの街で生活する私たちの横にそっと寄り添う自然がそこにある。

 

   

 

 

編集後記…里や森林は直接的に役に立ち、かつお金になる場所ではないことが多い。どんどん土地は平らにされ、建物やコンクリートが敷き詰められます。利益や数字の向こうにある数値化できない思いに目を向ける社会を期待しています。(ラジオ学生 蓮井菜乃花)