· 

毎回90食、年1万人が来るこども食堂! 災害時にも役立つコミュニティの中心。

47日(火)みんな崖っぷちラジオの(たす)けっ()とさんは、北犬飼子ども食堂ライトの楠恒夫(くすつねお)さん。楠さんは鹿沼市にある北犬飼コミュニティセンターで、月に三回の子ども食堂、学習支援、食品配布会などの活動を行っている。中でも、子ども食堂の規模は一度に90食を提供する大規模なもので、年間利用者数は10,378人になった。

 楠さんは定年まで民間企業で努め、退職後に歌声喫茶を始めたことがボランティアの始まりだった。歌声喫茶では地元の高齢者を集めて、好きな歌を歌ったり演奏したりしていた。出前の歌声喫茶を行った時に子ども食堂に出会ったという。紆余曲折ありながら、202471日から北犬飼こども食堂ライトをはじめた。つまり、設立後2年で1万人超えのこども食堂となった。

 

食材調達、ボランティアとスタッフ集め、広報…こども食堂の達人

 こども食堂のボランティアに行ってみた。スタッフは9人、ボランティアと合わせると総勢20人近くになる。中には調理師もいて、月一回の献立ミーティングをもとに、毎回たった二時間ほどで100食以上作る。この日の献立はカレー、菜の花の胡麻和え、メンチカツ、プリンであった。寄付でもらう野菜や食品をうまく使い、大人でも満足のボリュームである。

 一度のこども食堂は人気のあまり、最大90人の予約制で、毎回キャンセル待ちがいるほどの人気である。ちなみに、ライトのカレーは利用者の継続を促進しているといっても過言ではないほどおいしい。最初のこども食堂では30人の予定だったが、実際には60人が来たという。その後、楠さん自身がチラシを手作りし、周辺の学校に配ることで利用者を増やしていったという。このチラシもとても見やすく、初めてでも利用しやすい環境をつくれている。

 取材を通して、楠さんの戦略と運営力に驚いた。こども食堂当日の運営はもちろん、それに至る事務作業や広報。さらに鹿沼市内の他のこども食堂の運営まで手伝っている。まさにこども食堂運営の達人である。

 

「災害時の避難所」になるか

年後も!こども食堂の可能性

「貧困救済のイメージがつよい子ども食堂だが、災害時に大いに役立つ可能性を秘めている」と楠さんは言う。こども食堂は調理のノウハウ、衛生管理、備蓄品といった災害時に避難所として機能することができる。さらにライトの場合は大量調理も可能であり、月に3100食近くの食事を提供している。災害時に備えて平時から炊き出し訓練を行うことが大切なのだ。また、スタッフ、ボランティア、利用者の中には調理師や管理栄養士、保育士、看護師などといった様々な職業の人が集まっている。楠さんは「今年の夏に、実際に災害が起きたことを想定して避難訓練を実施したい」と話している。

 

「将来は楠さんになりたい」6歳。地域の60年後までみえている?

 こども食堂を利用する6歳の男の子が、「将来は楠さんになりたい」といっているそうだ。楠さんは彼の母親にライトのスタッフになってもらい、いずれは彼にライトを継いでもらうという構想までできている()らしい。次世代のことを考えて、60のビジョンまで見えている楠さんがとても印象的だった。貧困救済、地域のコミュニティ、といったこれまでのこども食堂の役割に限らず、新たな役割や重要性を見出していく姿勢が素晴らしい。

 

 

編集後記

2年ぶりのラジオ学生。ただいま~」。ラジオ放送はやはり難しい。まだまだ練習が必要だと思った。ライトのカレーは本当に美味しく、私もそのリピーターの一人である。ラジオ放送翌日も、吉田はうまいカレーを求めてライトへボランティアに行くのだった。(ボランティアの動機として怪しいとラジオでいわれたが、きっかけは何でもよいと思っている)。楠さんも「もっと大学生ボラが欲しい」と言っていたが、友達を誘ってもあまり来ない。みんなまずはうまいカレーから、ボランティアを始めてはどうでしょうか。(吉田美音)