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性暴力、被害を受けた「あなたは悪くない」

 

 34日のみんながけっぷちラジオでは、済生会宇都宮病院にある性暴力被害者相談センター「とちエール」の稲見一美さんをお迎えし、性暴力と被害者への支援について話した。性暴力とはどのような暴力なのか、性教育の現状や、支援で大切なことを教えていただいた。

 

 

同意がない性的な行為は、性暴力

定義は、「同意のない」性的な行為のすべて、である。「夜道で突然おそわれる」だけでなく、痴漢やアダルトビデオを強制的に見せることも性暴力になる。

性暴力には注意しなければいけない特徴が3つ

全ての年齢の人が被害者・加害者になる。幼稚園生でも加害者になる恐れがあるという。「子どものお遊びだから」となあなあにする人もいるが、れっきとした犯罪である。

被害者と加害者の関係が「知り合い以上である」ことが9割。つまり、親・家族・友人・先生・生徒など近親者がほとんどで、相手を全く知らない割合は1割ほどしかない。

性犯罪にあったことを認識しづらいということである。被害者が幼く、性犯罪だと分からない場合や「こんな目に遭うのは自分のミスだ」と捉えてしまう人もいる。また、「性犯罪に遭ったという事実」に向き合うことは心理的に負担が大きいため、忘れようとする人もいる。

 

連鎖する性教育の欠落

 性犯罪を防ぐためには、性教育がとても有効と稲美さん。家庭や学校、福祉施設などで幼児期から適切な性教育を行うと、自身が被害に遭った時に早期に気づき、対処できるようになるだけでなく、加害者になることも防ぐ。

各自治体などで性教育は進んできている。しかし、「きちんとした性教育を受けていないと、大人になっても自分の子たちへ必要な性教育ができない懸念がある」と稲見さんは指摘する。親になる人たちへ再度の教育機会を提供する必要があるという。

 

「ジャニーズ」で増えた被害相談

 「とちエール」は、済生会宇都宮病院に併設している性犯罪被害者相談窓口である。全国共通の電話番号である#881に電話すると、自分がいる都道府県の相談窓口につながる。電話でも面会でも相談ができる。

相談者は幼稚園生から高齢者まで年間100件以上になるが、中でも10代からの相談が多いという。件数も増加傾向で、前回稲見さんががけっぷちラジオに出演した2023年は最大だった。増加の要因として性犯罪の厳罰化などもあるが、特に「ジャニーズ問題」などの性犯罪のメディア露出の増加が挙げられる。これにより、自分の身に起きたことが「性犯罪と判断できない」子どもも気づくことができるようになったのではないかと話す。

 

自分の中で「性暴力と向き合う」こと

刑事事件としての性犯罪は、立証の難しさや性的同意の有無が有罪判決の大きな壁となるが、たとえ有罪にならなくても、被害者の心身は大きなダメージを受けている。精神的ダメージが特に大きく、被害後正しいケアを行わなければ、うつ病の発症や自殺願望が生まれることがある。

「もし性犯罪にあったことを思い出したらどうすればいいのか」聞くと、稲見さんは「難しい質問だが、まず、無理に思い出そうとする必要はない。自分の中で過去のこととして整理がついていて、それに納得しているならいい。しかし、少しでも誰かに相談したかったり、話を聞いてほしかったらためらわずにとちエールに相談してほしい」という。

 他人に打ち明けることは、被害の出来事を思い出すため、大変な苦痛を伴う。一人で考え、行き詰まってしまったのなら、誰かにそっと打ち明けることも一つの手段かもしれない。

 

 

 

 女性として生活していると、残念ながら性被害は身近なものであると感じるのですが、いざ被害にあったときに適切な対応ができるのかと聞かれると難しいと思いました。しかし、自分一人で対応する必要はない、そして「わたしは悪くない」を前提知識として知っているだけで、被害にあったときに少しでも助けを求めるきっかけにつながるのではないでしょうか。(ラジオ学生 蓮井)