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地域を活性化する里山づくり!トチギ環境未来基地

地元のボランティアの方々と一緒に里山づくり!最大の敵は「竹」!?

 1/16のゲストは、トチギ環境未来基地代表の塚本竜也さんだ。トチギ環境未来基地の拠点は益子にあり、県内の様々なところに出向き、そこで活動しているグループとともに里山づくりを行っている。里山は多様な生物が生息しており、日本の伝統的な農村の暮らしを支えてきた自然である。

 そんな里山をつくるうえで厄介なのが、「竹」であるという。「繁殖力も高く、根で繋がってところはどんどん広がっていくので、昔畑だったところに竹が密生することでそこに入れなくなったり、広葉樹(薪や炭に使う木)の生えていたところに竹が侵入することで他の木を枯らしてしまったりなどの問題が生じる。できる限り昔の里山の状態に戻せるようにボランティアの方々と共に竹を伐っている。」と塚本さんは言う。

 塚本さんが目指している活動の形は、興味のある人が誰でも参加できて活躍できるものであるため、基本的には誰でも使うことのできる道具のノコギリやナタを使用して竹を伐っているそうである。自分の体を動かすことで良い里山がつくられていく、そこにやりがいを感じる人も多いという。

里山整備の課題を解決するのは子どもたちの存在!里山整備の持続的に行うためのモチベーションの必要性

 里山整備を行う時、補助金を利用する人が多くいる。しかし、この補助金は無限にあるわけではないので、補助金がなくなった時点で里山整備の動機がなくなりやめてしまう人も多いという。金銭面以外での里山整備の動機となるのは、子どもたちの存在である。里山に子どもが来て遊んでいると、「子どもが来るならきれいにしておかないとなぁ」と感じる人も多く、子どもたちの存在が里山整備の動機となりうる、と塚本さんは言う。

 子どもと里山での活動をすることは何よりも楽しいし、子どもたちが里山で遊んでいるところを見ると大人もほっとするものである。子供の力を借りることで意味のある里山整備を持続的に行うことができる、とても理想的な取り組みだと感じた。

 

 

貧困家庭の子どもたちも自然の中で遊べる機会を!塚本さんの思い

 塚本さんは、別の団体で子ども食堂の取り組みも行っており、そこで母子家庭の親などの「仕事が忙しく子どもをどこにも連れて行ってあげられない」という声をいくつか聞いたそうである。そこで、自分たちの里山にそういった子どもたちを呼んで12日のキャンプなどを行い、少しでも楽しい時間を過ごしてもらうために、トチギ環境未来基地でも子どもの自然体験活動を行うようになったそうである。

 「コロナの時は、ステイホームで、特に家にいる時間が長くなった。アパートなど狭い空間に多い人数で生活していると、家庭環境が悪くなることも多いと感じた。そんな時に里山に行ってのびのびと遊ぶことでストレスが解消される。兄弟仲が良くなったといった声もあった。これは里山などの自然がもつ力だと思う。機会を作らないとなかなか自然の中で遊ぶことが出来ない時代になってしまった。そのため、里山を使った自然体験のプロジェクトは自然で遊ぶ機会づくりの意味もある。」と塚本さんは言う。

 持続的に良い里山を作り、その里山が地域の人々の憩いの場となり、子どもたちにものびのびと育ってもらいたいという塚本さんの熱意が伝わってくるお話だった。(えのき)