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「話を聴く」「ふれる」「認める」これだけやれば子どもは変わる ~ココロ貯金®を学ぼう~

子どもが話を聞かない、怒ってしまう、かわいいと思えない…。

お母さんと子どもの癒やしの場「ひつじCafe」を運営する佐藤さんのもとには、お母さんの悩みがたくさん届く。

そんなときには、まずはじっくりお母さんの話を聴く。求められたらアドバイス。それに使うのが「ココロ貯金」だ。
 「話を聴く」「ふれる」「認める」で貯めることができるココロ貯金とは?具体的にどうするの?この文章を読み終えたころには、子どもとのかかわりのヒントを得られるはずだ。

北海道出身の佐藤さんは、もともと小学校の先生だった。結婚を機に栃木に越し、2人の息子にも恵まれた。その後も先生の経験を生かして個人塾を開くなど教育に関わり続けた。そんな中、息子が「学校に行きたくない」と言い始めた。本気で子育てを勉強し始めたこの時が「子育て心理学」との出会いだった。佐藤さんは、これを塾に来たママさんたちに教え始める。それが今や6年目を迎え、講座の受講者は300人に迫り、LINEやブログでの毎日の応援メッセージの発信、子育て講座の開催など忙しい日々を送っている。

 

●ココロ貯金の貯め方実践~子ども編~

 「子どもは誰でも心の中に貯金箱を持っている。周りの人からの『大事にしているよ』という思いが伝わると、子どものココロ貯金が貯まっていく」と話す。「ココロ貯金」が貯まることは、自己肯定感が高まって、やる気や自信がつくことを意味する。

貯める方法は「話を聴く」「ふれる」「認める」の3つを大人がすること。忙しいお母さんが毎日続けられるように、簡単で効果がある実践法だ。

「話を聴く」というのは子どもの思いを聴くのがポイントだ。「思いを聴く」という意味を込めて、あえて「聴く」という字を使っている。お母さんは子どもに「お母さん、(話を)聴いてる?」と言われがちだ。子どもが「聴いてもらっていない」と感じていることが問題だという。そこで、耳に届いているとわかるように、うなずくなど反応を返すと、子どもは聴いてもらっていると感じられる。

 続いて「ふれる」は、とにかく子どもに触ることだ。どんなふうに触れてもいい。髪の毛を乾かすのもいい、薬を塗るのもいいという。しかし大きくなってくると「触らないで」と言われることもある。そんな時は「できないことはやらなくていい」という。この柔軟さも子育て心理学の魅力という。

 「認める」は、その子の存在を認めることだ。「○○ちゃん、おはよう」とあいさつに名前を付けるだけで、子どもは嬉しくなる。たとえ褒めなくても、名前+事実をいうだけでも効果的だ。

 講座でこれらを話すと、お母さんたちは「そんなことでいいの?それならできそう」と言う。佐藤さんは「小さい事だけど、毎日積み重ねていく。そのことで、子どもに大事にしている気持ちが伝わることが大事なんですよね」と、自分を大切にしてくれる人の存在を子どもが感じられることが必要だと言う。

 ここで、「ココロ貯金の貯め方」を日常の一コマから一緒に考えてみよう。

【練習問題】

「子どもが友達の悪口を話してきた」。こんなとき何と言いますか?

【佐藤さんの答え】

聴くのに困る話やマイナスな話を子どもがしてきた時は、うなずきながら否定せずに聴く。親は解決策を提示しそうになる。しかしまずは最後まで聴くことが大切。「同意ではなく共感」といい、悪口には「わたしもそう思う」という同意ではなく、「あなたはそう思うんだね」「悲しかったんだね」「嫌だったんだね」と、お子さんの感情が出た言葉を返し共感する。これには、ココロ貯金の「話を聴く」「認める」がつながっている。

 

●「反省は1秒。もれたココロ貯金はまた貯めればいい」。お母さんのココロ貯金こそ大切。

 ここまで子どものココロ貯金を見てきた。でも佐藤さんは「実は、お母さんのココロ貯金こそ一番大切」と話す。ココロ貯金は人にあげる前に自分にしっかり貯まっていないと、人に貯められない。佐藤さんがあえて朝5時半にLINEのお母さん向けメッセージを配信するのはそのためだ。ココロ貯金がたまった状態で「○○ちゃん、おはよう」と言ってもらいたいと話す。

お母さんの中には「また怒ってしまった」と子どもの寝顔を見ながら反省会をする人もいる。佐藤さんは「反省1秒!!もれたココロ貯金は、また貯めればいい!!」と言い、「ダメな自分も自分だ、と愛せるようになるのが大切」だと言う。

最後に「佐藤さんのココロ貯金がもれていないですか」と聞いてみた。佐藤さんは、あっけらかんと「好きなことばっかりしています!!」と言い、みんなと話しあうことで自分のココロ貯金も貯まっているという。

「ココロ貯金を伝え、お母さん自身が自分を大切でできるような心と体のケアをしたい」と今後の目標も話してくれた。

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 男女の家事や子育て負担は、お母さんに集中していると実感した。5時に起きるのはお母さんで、子育てで悩むのもお母さん。男女の役割が固定化した社会で、それを変えようとの方向に視点は向きがちだ。しかしその立場に置かれる人をサポートする、佐藤さんのような存在もまた大切だと思った。(鈴木)

 

「子育て心理学協会」HPhttps://www.kosodate-up.com/lecture