「些細なことで人々を勇気づけられる」ことに気づいたYMCAボラの五年間

10月26日(火)みんながけっぷちラジオでは、とちぎYMCAで5年間ボランティア活動をしている宇都宮大学4年の古谷まなさんにゲストとしてお越しいただきお話を伺った。この日はVレンジャーの担当回なので高橋葵(宇大2年、Vレンジャー)がラジオ学生&ブログ作成を担当した。

 

◇活動で意識することは「自分自身も楽しむこと」

古谷さんは高校3年生の時に、友人の誘いをきっかけにとちぎYMCAに参加し、現在もボランティア活動をし続けている。YMCAとは日本各地や世界中にチェーン店があるNGOネットワーク団体で、古谷さんは野外活動、学習支援を通して子供と関わる活動をしている。

 

子供たちと多く接する中、特に意識していることは二つあるという。一つ目は大学で「特別支援」を専攻していることを生かし、障害の有無の狭間に位置する「グレーゾーン」の子どもたちへの配慮をすること。二つ目は自分自身も楽しむこと。一人一人を認めつつ、全員が楽しめる環境を意識している。私が所属するVレンジャーも主に子供たちと関わる団体なので、古谷さんの経験と心がけは非常に勉強になった。(高橋)

 

5年間の活動全てが楽しかったと話す古谷さん。子どもと関わるのが好きで始めたYMCAの活動だが、その中で同じ立場の大学生や高校生と関ることができることに気付き、豊かな人間関係の構築についても楽しみの一つになったと話してくれた。

 

ところが、2020年は新型コロナウイルスにより子供との活動が中止に。人と会って活動することが難しい状況に陥ってしまった。そんな中、古谷さんは「何もしないのは嫌だ」と、当時SNSで人々を応援する動画が広まっていることをきっかけに、YMCAからも動画で人を元気づけるような活動をしようと決意した。その動画には、全国のYMCAの学生の「あなたと」という言葉をつなぐ内容。「離れていても心はつながっているから大丈夫」というメッセージが込められている。活動が制限されている中でも、YMCAのみんなで協力して動画を作成したことが印象に残っているという。

古谷さんに、コロナ禍でも諦めずに取り組む姿勢の秘訣を聞いた。

「常にチャレンジしたいという気持ちがある。それはコロナ禍でも変わらない。できないからといって諦めるのは好きじゃないし、できることを見つけて活動したいという一心で動いた。気持ちが一番大切だ。」

 

 

上記の動画がこちら↓

◇「どんな人でも、些細なことで人々を勇気づけることができる!」

現在は、YMCAの活動に加えて今年9月から学生インターン「足尾に緑を育てる会」の活動にも参加している。子供と関わる活動をするNPOが多い中、この活動は自然に目を向けた活動だと感じ、学生のうちに様々な活動をしてみたいと考えた古谷さんは参加を決めた。足尾では、インターン生2人で子供と関わるイベントの企画をしているという。足尾の塩害で木がなくなった山に緑を育てるというコンセプトで始まった活動だが、現在は当時のはげ山からだいぶ緑が戻っているらしい。古谷さんは、多くの人の協力があり緑が広がっているという事実を子供たちにも知ってもらい、さらに植樹を通して子供たちの経験の貧困を救いたいと考えている。ちなみにVレンジャーも、12月5日の植樹イベントに参加する予定。

 

古谷さんは現在教育学部の4年生で、来年からNGO団体への就職がきまったとのこと。YMCAでのボランティア活動を通し、学校の先生ではなくNGOとして子供と関わっていきたいという思いから進路を決めたという。

YMCAの経験を通して世界が変わったという古谷さん。ボランティアをやっていなかったら知ることがなかった世界を今見ることができていることから、今度はそういう体験を子供たちや学生の色々な人にしてもらいたいと思っているとのこと。自分ができた経験を今度は他の人にも提供したいという精神が素敵だと私高橋は思った。

最後に、聞いている方たちへ伝えたいことを聞いた。

 

「人に元気を与えることに必ずしも「人々のために」といった壮大な気持ち、大規模な活動が必要なわけではない。どんな人でも、些細なことで人々を勇気づけることができるかもしれないということを忘れないでほしい。」そう答える古谷さんからは未来への希望と意気込みが感じられた。(高橋)