「多くの経験が仕事に結びつく」とちぎ若者サポートステーションの役割

みんながけっぷちラジオ、1012日のゲストさんはとちぎ若者サポートステーション総括コーディネーターの湯本尊さんでした。私たなかは大学で機械工学を学んでいます。ゲストの湯本さんも同じ!お揃いラジオです。

 

◇多くの経験を提供するのが役割

とちぎ若者サポートステーション(以下サポステ)は全国に約180か所あり、湯本さんは宇都宮の事務所に勤務しています。

「働きたいという気持ちはあるけれど様々な事情により就職に行きつかない方へ寄り添い、自立に向けて一緒に進んで行く」という場所です。「いろんなことを経験して自分の得意不得意、楽しいことを探しながら最終的に仕事に結びつける」というコンセプトのもと利用者に対して様々な活動を提供していますが、必ずしも仕事に関係する活動をやる必要はなく、陶芸体験やボランティア活動なども行っています。利用者自身で企画を発案することもあります。

「ここでの経験が仕事に結び付けられる大切な過程になっている」と湯本さん。就職に向けて成長できる環境が整っているのだなと感じました。どこに就職のきっかけがあるかわからない分、多くの経験を提供するのがサポステの役割です。

 

2次元グラフに経験値という点を打っていく。たくさんの点は線になり、自分の方向性が見えてくる。

働くことに対しては誰でも不安を抱きます。現在は職種が3万種以上あると言われており、調べ始めるときりがありません。これはある意味では自由に仕事を選べると言えます。反対に、ある村に生まれたとして職業の選択肢が農民、役所、警官の3つだけであれば逆に選びやすくてよいかもしれません。「職業を選べる自由というものが、本当に良いものなのか」と湯本さんは疑念を抱いています。実際に利用者の中からその類の相談も受けているそうです。

学生時代に自分の好きなことを見つけて、それを職業にできれば素晴らしいですが、世の中にはそのような人ばかりではありません。大学で機械工学を学んでいた湯本さん自身も「これを職業にはできないな」と感じ、さしあたり大学を卒業することを目指しました。卒業後はVネットでボランティアに参加して人々とのかかわりを持ち、様々な世界を見ながらフリーターをしていました。その過程で福祉・若者支援の分野に興味を持ち、今に至ります。

 

「経験を積むことがキーワード。サポステに来る人は自分に向いていること、自分は何ができるのかがわからないといった方が多いが、最初から方向性が見えている人はほとんどいない。ならばいろいろな経験をしよう。楽しい経験ややりたくない経験も含めていろいろなことをやってみるとよい。2次元グラフに経験値と言う点を打っていくと、だんだん線になっていく、その線の指し示す方向が自分の行く道になる。方向性がわからない人は経験を積んでたくさん点を打つことが大事だ。」

私も将来に対して進むべき道がまったく見えていないので、若いうちはとにかくたくさん経験を積んでみようと思いました。(たなか)

 

そして湯本さんのメッセージには続きがあります。

「ちなみに、スティーブ・ジョブズも僕と同じようなことを僕より後に言っていました」