家の応急修理制度の講習会 栃木で実施。制度では「お金払ったもの」には使えません。

 11/22から栃木入りした被災地NGO恊働センターの立部です。災害支援をしている神戸の団体です。できること、お手伝いしていければと思っています。よろしくお願いいたします。

 昨日11月25日、栃木市で地域住民さん向けの「生活再建に向けたミニ講習会」を開催しました。行政の支援制度や水害後の家屋の対応などについて整理してお伝えしました。また、実際に住民の方のお宅を見せていただきながら、被害の判定や床下の対応などについて考えました。

 事前の広報が限られていたこともあり、本当にこじんまりとした「ミニ講習会」でしたが、建築士や行政書士の方にも来ていただき、専門家のご意見やできることもうかがうことができました。専門家の方のつながりを作っていくことも必要と感じています。

 イベントのご案内がてら、地域のお宅を回りました。すでに自力で業者に頼んでお家を修理してしまった方も多いです。行政の応急修理制度が出たのが11月半ばだったので、制度が利用できずに不満を持っている方もいます。
 一方で、まだご家族だけ、あるいは一人でお家の片づけに追われている方もいらっしゃいます。すでに修理を終えたお宅は、床下の対応がどれだけできているのか疑問なところも正直あります。

以下、住民の方の声です。
「制度がおかしいと思ってる。自分たちで材料を買って来て、家の修理は全部やってしまった。それに対しては支援が出ない。行政の対応が全部後手後手。近所の人に聞いたら、役所も人によって言うことが違うので、今は行かない方がいいよって」

「家のことはもう全部終わっちゃった。1か月前にやってくれるならよかったけど、今は興味ないです」

「家の中まで水が入っちゃって。床上37cmくらい。タンスが大丈夫かなと思っていたけど、カビが生えていた。まだ片付けが終わらない。全部出さないと。(腰にコルセットを巻いてらっしゃる。)手も腱鞘炎になっちゃって。今お父さんを手伝ってる」

「仕事があるので片づけが進まない。ボランティアさんに片づけを頼んだ近所の人が、『全部外に出すだけなら2時間でやってくれる。けど、いるものといらないものを考えながらやろうと思ったら3日かかる』と言っていた。だったら自分でやっちゃおうと思って、ボランティアには頼んでいない」

「ここで生まれ育って70年以上になるけど、こんなことは初めて。ここは安全だってことで住んでいたけど、今回のことで、みんなよそへ出ていってしまうんじゃないか。出て行こうかという話をしている人もいる。土地を探したり。建て直しても、もう何年も住むわけじゃないから、借家にしようとか。子供も、こんなところ、学校が終わったら出て行こうとか。ますます都会と地方の格差が広がる」

「行政は起きてからの支援だけじゃなくて、起きる前の対応がどうたったかっていうことを考えてほしい。避難情報が出た時にはもう水が来ていた。こういう災害は、温暖化もあるし、毎年絶対起きる」

(立部さんFBを転載)