負けないぞう講習会 in 気仙沼 ③

 

 

あっくんです。

背中にしょってるのは、しましまBIGぞうさん。

マントみたいでかっこいいね!

朝晩すっかり涼しくなって、部屋に遊びに来る虫たちがかえるからこおろぎにバトンタッチしたキャンパチよりこんにちは。

 

最近晴れた日には仮設住宅の駐車場や広場にタープをはって、東北の短い秋を満喫すべく屋外で負けないぞう作りやお茶会を開催しています。

ぞうさんを作るには室内の方が快適かもしれないけれど、外の方がピクニック気分でわくわくするし開放的な気分になって話がはずむ。そしてなんといってもお互いに声をかけやすく住民の方が来やすい。1人暮らしの方が通りかかれば、誰かが「お茶っこ飲もう」と声をかけるし、学校から帰ってきた子供達に「お帰り~」。そして子供達もひとまずベンチに座りちょっと話をしたり。みんなのアイドル、ちびっこあっくんの歌う「ぞうさん」♪をバックミュージックに笑って縫って食べて縫ってまた笑って・・・

 

さて負けないぞうは相変わらず気仙沼で大活躍です。

「今まではなかなか現実を受け入れられなくて、逃げて何もできなかったけど、このままじゃいけないと思って重い腰をあげて家から出て、皆でぞうさん作ってるうちに、そろそろ自分も何か役に立つ事をしたいという気持ちになっってきたんです。今度ぞうさん作りに他の仮設に行く時一緒に教えに行きたい」とKさん。

  

「狭い部屋にいて何もすることないから先の悪い事ばかり考えてしまっていたけど、ぞうさん作るようになったら暇でなくなったし、どうしたら上手にかわいくできるようになるか工夫しながらやってると退屈しないのよ、仲間もできたし」とMさん。

 

「そろそろ私も外の世界を見てみたい。一緒にぞうさん教えに連れ出して」とTさん。

 

「私の作ったぞうさん見て、買ってくれた人はどう思うべな。どういうふうに使って、どんなふうに役に立つのかなって想像しながら縫ってんだよ」とSさん。

 

キャンパチで負けないぞうの作り手さんのサポートをしてくれている、室根町のぞう大使Hさんやいつもタオルを集めて提供してくれているY君も「一緒に作りに行きたい」と言ってくれるようになった。

 

今日も負けないぞうのまわりには前向きに生きる力とそれを支える暖かい気持ちが溢れている。

 

被災した人もしていない人も、近くにいる人も遠く離れている人も、皆誰かの役に立ちたくて何かしたいと思っている。気仙沼の街は瓦礫撤去率が84%まで進んだとはいえ、まだまだ片付くまでには時間がかかるし、あの日に起こったことを一人一人が受け入れて前に進む一歩を踏み出すにはもっと時間がかかるのだろう。一気には進まないけれど、お互いの事を思いやりながらすることは、どんな小さなことでも意味があって、誰かの心に温かな火を灯すのだと思う。その思い同士をつなぎ合わせて輪にすることが、現地にいる私たちの大切な役目のひとつなのだろう。

 

新大使の活躍ぶりは次回の通信でお届けします。お楽しみに~

 

 

キャンパチ駐在:滝口 奈緒美