「お金ともコミュニケーションを」〜自立塾流生き抜く力〜

 コロナ禍とはいえ増え続けている外国人労働者や、近年凄まじい勢いで発展し続けるA I技術。就業が厳しい今日の社会で生き残っていくために、自分、そして未来を担う子供にどのようなことが求められているのか。

 9月7日のゲストには、「自立塾」というあまり聞き馴染みのない名前の塾を20年続けている市川潤子さんを招き、今後社会で必要とされる人に求められるスキルや困難に直面した時の乗り越え方をお聞きした。本来このラジオでは“がけっぷちにいる人”にとってのたすけっとさんを紹介しているが、今回は“がけっぷちになりたくない人”にとってのたすけっとさんとも言える。

 

●知識ではなく「社会で必要なコミュニケーション力を養う塾」

 自立塾は、親から子どもが自立できるようになることを最終目標とする塾で、勉強は教えないのが特徴である。勉強を教える場所は多く存在するが、子供たちが自立するために必要な力を身につけられる場所はほとんどない。そこで、自立塾では、将来社会で活躍するために必要だと言われる力を養うプログラムを提供している。

 現代の子どもに欠けているものは何か。集中力、考える力、疑問に感じたことを調べる行動力、金銭感覚、記述力、コミュニケーション力、人前で堂々と意見を述べる勇気…と様々なことがある。果たしてこれらの力があることによってどんな利点があるのだろうか。それは、“社会で必要とされる・活躍できる人”になれることだ。

 自立塾のクラスには、社会で必要とされる・活躍できる人が持つコミュニケーション力を養うクラスがある。これは大きく分けて2つあり、①人とのコミュニケーションと②お金とのコミュニケーションだ。

①は、質問力、傾聴力、交渉術、プレゼン力、伝わりやすい話し方、 言い返す技術、リーダーシップ、人脈形成スキル、迅速な行動力など、人に対して自分がどのように働きかけられるかが問われるものである。お金とのコミュニケーションよりこちらの方がイメージしやすいだろう。A I時代が到来しようと人との関わりは避けて通れない。したがって、日頃からこれらのスキルを身につけ実際に使いこなすための訓練をしておくことが必要不可欠なのだ。

 

●詐欺を見抜く力、税金の知識、お金の貯め方と運用、「生き金」、「死に金」…

 では②の、お金とのコミュニケーションとはどのようなことなのか。

 例えば、詐欺を見抜く力、税金に関する知識、資産形成・運用の方法、生き金と死に金の違い、世界情勢の把握、などが挙げられる。これらを得て社会の仕組みを知ることによって、社会が動く時自分はどのような行動を取るべきか判断できるようになる。上記のような難しいことでなくても、まずは自分がどこに支出しているかなど、自分のお金の使い方を把握するだけでもお金のコミュニケーションと言えるだろう。これらを何も知らないと、右左もわからずいつの間にかお金だけでなく時間も搾取されることになってしまうのだ。

 それぞれのコミュニケーションで必要とされるものは、ネットや本で気軽に身につけられる。しかし、それらを知るだけではなく、自分に足りないものは何かを見極める+不足しているスキルを得るための実践的な練習+使いこなせるようにすることが重要だ。そのため、自立塾では実践的な練習を先生がいる中で行えるようになっている。

 

●「事前に準備の力」と「土壇場で粘れる力」があれば生き残れる。

 人は、どんな人も多かれ少なかれ誰しも壁にぶつかる。しかし、前述したスキルが無いからといって毎回折れるのではなく乗り越えていく必要がある。

 そこで私たちが“プチがけっぷちさん”になったときに使えるノウハウ(3ステップ)を伝授していただいた。

1:頭の中でくり返されるストレスを、一度「無」にする

2:呼吸を深くする事を意識する 

3:問題点、期限、ゴール、着眼点を変えたら何が見えるか、誰と向き合うかなどを可視化する(箇条書きで書き出す)

 このように、順番立てて物事を整理することで目の前の壁をよけることができる。できれば、ストレス解消法をたくさん持つことも良い。このように、事前に準備することで対処が可能なことはたくさんある。こうして土壇場で踏ん張れる粘り強さを皆が持つことができたら、どんな人でも輝け、何回でもやり直せるようになるだろう。

 

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 学生時代の市川さんには、金銭的にだらしない親戚と、暗闇にいた自分を救ってくれた恩師、といった反面教師と模範的な大人が身近にいたという。そんな両極端な大人の姿を見て、将来、前者のような人が増えてしまうことを危惧して、自立塾を立ち上げたという。

 私=小浜は、必ず社会に必要とされ求められる人になるべきとは考えないが、自分がやりたいことをするには、この社会の仕組みをよく知っておく必要があるとは思った。まずは社会とコミュニケーションをとるための情報集めをしたい。そして、お金とのコミュニケーションについて番組内であまり触れられなかったため、自分でもっと詳しく知りたいと思った。

(コハマ)