· 

地域包括支援センターきよすみの居場所事業「まちの保健室」

3つの専門職がチームで支援

 4月6日のゲストは「地域包括支援センターきよすみ」のセンター長・岡田ケイさん。元歯科衛生士の岡田さんは介護保険でできたケアマネジャー(介護支援専門員)に惹かれ歯科衛生士の資格で受験。2000年にケアマネになり、それから20年のベテランだ。

 地域包括は高齢者の介護・福祉・健康の総合窓口で、市内25か所で保健師(看護師)、主任ケアマネジャー、社会福祉士の3人の専門家がチームで支援する。きよすみ担当の戸祭・昭和地区は高齢者約5,000人、高齢化率26%(市平均24,5%)。しかも「要介護の認定率が高い」という(17%、市平均15,6%)。ちなみに地域包括の職員配置基準はこの規模だと3人だが、きよすみは7人体制。「中心市街地の空洞化と、高齢者が取り残されていること」の証左かもと思った。

 

スタッフ×ボラで運営=まちの保健室もOPEN

 普通の地域包括支援センターは訪問活動しかしていないのだが、ここでは独自に「まちの保健室」を開いている(第3金10:00-15:00)。学校の保健室のように「特に相談がなくても話を聴いてとか、近所の人が気軽に来られる居場所です」と岡田さん。「まち保健室」運動は10年前に東京で始まり、徐々に全国に広がっている。県内では数か所、ここの他に市内1か所ある。実際にその「保健室」に行ってみた。

 まちの保健室はスタッフとボランティアの共同運営だ。来ていたボランティアの女性は「定年後、地域の人と関わりたくて毎月来てますよ。自分も看護師だったので病院の中では、忙しそうで気軽に相談はできないですね。身近な町なかで、世間話すると少しは気が晴れるでしょう。健康や介護の知識は専門家がいるしね」という。ここを通して民生委員さんや自治会長さんも知ったとのこと。

 どうやら、ボランティアも利用者の一部かと思えるような使われ方で、地域のあんしん交流拠点なのかもと思った。

 

「フードバンク食品で、家に上げてくれた」。包括で役立つFB食品

 今、フードバンク(FB)には、日常的に地域包括を通じて「食品求む」のSOSがある。FBでは、提供した食品の行方は追っていないので、今回のラジオ取材で「食品をどういう時に渡しているのか」を訊いてみた。

 訪問しても、玄関先で拒絶される家(心を開かない家)でも、FB食品を携えて「今日は食べ物持って来たよ」というと家の中に入れてくれる。また、FB提供のカップラーメンと、持参のポットのお湯で、その場で食べてもらったこともあるという。地域包括支援センターきよすみ職員さんのあたたかさが伝わってくるエピソードだった。

◆ ◆ ◆

 取材を通じて、福祉の仕事は正解がない難しい仕事なだけに多様な知識と経験と相互連携が求められる。私のFB活動でも同様に新たな知識・経験を身につけていくとともに、様々な人とのネットワークの必要があると感じた。(伊東)