
「女子は高所恐怖症少ない⁉」。女子部隊結成秘話
5月31日「みんな崖っぷちラジオ」のゲストは和田紋佳さんと阿部遥香さん。2人は「屋根直しボランティア女子部隊」のメンバーで、隊長の和田さんが、「今年3月の地震で深刻な被害があった宮城県山元町へ、屋根直しのノウハウを学びに行こう!」と呼びかけ、集まったメンバーです。なぜ女性だけなのか、それは女性の方が高所恐怖症ではない人が多いから。(矢野さん談)らしいです。そんな訳で高い屋根も怖くない、勇敢な女性8人が集まりました。
「プロボノ」が屋根の応急修理ボラ。でも、全然足りない!
3月16日の地震の影響で福島県と宮城県では震度6強、住宅の全壊は少なかったものの、半壊、一部損壊が3万5,000棟を越える被害がありました。修理業者が足りず、住民は自力ではどうしようもない状態。さらに、昨年(2021)2月の福島沖地震、3年前(2018)の台風19号、東日本大震災の名残(2011~)、と災害が続いて疲弊しきっていました。今回は「2、3年待ち」「300軒待ち」の状態で屋根の修理の手が追いつかず、このままでは雨風を受け建物の状態が悪化してしまう。そんな危機的状況を支援するべく、現地ではプロボノ(職業上持っている知識やスキルを活かしてボランティアする人)が屋根にブルーシートを張って雨漏りを防ぐなど、応急措置を行なっていました。
ボランティアだから「その家に合った個別の困りごと」に対応できる
和田さんは「東日本大地震当時は高校生で、日々流れるニュースに悲しむだけで何もできなかった。災害の時に自分が支援する側に変わりたい」という思いで、今回現地に足を運んだといいます。
しかし実際に高さ8メートルもある屋根に登ってみると、「ロープをつたって歩くだけで精一杯。作業どころではなく、手順や道具の使い方をもっと学ばなきゃ」と感じたそうです。また屋根直しは危険な作業。だからこそ準備や段取りがとても重要で、屋根に登らなくてもできることが沢山あるそうです。チームで行けば、住民の話し相手になったり、花を植えたり、写真や大切なものを探し出すこともできる。ボランティアだからこそ「その家に合った個別の困りごと」に対応できます。
また阿部さんは「平時の困りごとが災害によって浮き彫りになる。平時の困りごとが大きくなったままでは日常生活に支障が出てしまうため、迅速な対応が必要になる」とボランティアの必要性を学んだそうです。また屋根に登ってみて、想像以上の怖さに「屋根はもうこりごり…」と感じたそうですが、「ボランティアに参加し、災害が起きたときに自分に何ができるのか知っておくことは、何かしらの助けになると思う」と振り返っていました。
和田さんは今回の経験から、Vネットで講師を呼んで道具の使い方を教えてもらう講習会も検討中という。定期的に現地に足を運びたいと語り、「自分に何ができるのかと思うかも知れないが、現地で住民と話すだけでも感謝され、やりがいを感じる。一緒にいきましょう!!」とリスナーに呼びかけていました。
災害が多い日本だからこそ一人一人が技術を身につけ、もしものときに助け合う、そんな民間の力がとても大切だと感じました。【佐藤優】