認知症とは?―ただの物忘れではない変化
金澤さんによると、認知症は脳の機能が徐々に低下することで、記憶や判断力、日常生活に必要な能力に支障が出る状態を指します。
単なる物忘れとは異なり、「鍵をどこに置いたか忘れる」のではなく、「鍵の使い方自体を忘れる」といった根本的な変化が見られるのが特徴です。原因として、アルツハイマー型や脳血管性認知症などがあり、生活環境の変化や精神的ストレスが症状を悪化させるケースも多いとのことです。
進行を遅らせるには「人とのつながり」
認知症を完全に治療することは難しいですが、進行を遅らせることは可能です。金澤さんが強調していたのは、「人とのつながり」の大切さです。訪問介護やデイサービスを活用し、外部との接点を増やすことは、脳への刺激となり、進行を遅らせる効果が期待できます。特に訪問介護では、1対1で寄り添ったケアが可能で、利用者の安心感につながるといいます。
認知症ケアの基本―「その人の世界を受け入れる」
認知症の方は、自分が認知症だと自覚していない場合が多く、行動に対する否定や指摘は混乱を招きがちです。ですので、「相手の世界に入り込むこと」がケアの基本だと語ります。
例えば、認知症の方が過去の記憶に基づいて話している場合、その話に寄り添い、共感的に対応することで、安心感を与えることができます。
日常でできる認知症ケアのヒント
身近に認知症の方がいる場合は、まず穏やかにコミュニケーションを取ることが大切です。「拒否をしないこと」を最も重視しており、本人の視点を尊重しながら接することで信頼関係を築けると話します。
また、家族だけで抱え込まず、訪問介護や地域のサービスを積極的に利用することが負担を軽減する鍵になると教えてくれました。